Blog ブログ

Blog

HOME//ブログ//【2020年改正】民法が変わりました その4 意思能力の明文化

ブログ

【2020年改正】民法が変わりました その4 意思能力の明文化

目次


【1.賃貸借契約】
・敷金は原則返還。(ただし、未払い賃料との相殺は可能)
・アパート退去時の原状回復について、通常損耗や経年変化は大家側負担に。
・賃貸借の存続期間の上限が20年→50年に。

【2.法定利率】
・年5%→年3%に。(3年ごとに見直しあり)

【3.消滅時効】
・知ったときから5年、または、行使可能時期から10年。

【4.意思能力の明文化】
・判断能力のない状態の者が行った法律行為は無効であることが明文化。

【5.約款取引の明文化】
・大量同種取引に利用される利用規約を定型約款と位置づけ、消費者が表示を受けた場合、定型約款の内容についても合意したものとみなされる。

【6.個人保証人保護規定の拡充】
・極度額のない根保証は無効。
・個人が事業用融資の保証人になる場合、公証人による意思確認手続が必要に。




 

その4.意思能力の明文化



条文が新設され、法律行為を行ったときに意思能力がなかった場合、その行為は無効であることが明文化された。(【民法3条の2】)


 

そもそも、法律行為を行うためには『意思能力』(自らの行為の結果を判断できるだけの精神的能力)が必要とされます。これまではあたり前すぎてあえて条文に記されていませんでした。しかしながら、民法における重要な前提であるからこそ誰が見ても明らかなものであるべきだとして、今回の改正により明記されることとなりました。(改まって明記されただけで、『行為時に意思能力がなかった場合、その行為は無効』という取り扱い自体は今も昔も変わりません。)

なお、意思能力がない状態とは認知症や精神疾患、泥酔状態などを指します。重要なのは「行為をしたときに」これらの状態にあったという点であり、後に意思能力が回復したとしても、無効であった行為が後から当然に有効になるということはありません。

 

【民法3条の2】
法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする。

 
SHARE
シェアする
[addtoany]

ブログ一覧